近年歯周病が口腔内の問題にとどまらず、全身の健康に影響を及ぼす疾患で注目される中で意外なところで「咳」との関連が指摘されるケースが増えてきました。
歯周病は歯と歯ぐきの間に細菌が繁殖し炎症を引き起こす病気ですが、この歯周病菌が唾液や呼気を通じて気道に侵入すると慢性的な咳を引起こす可能性があるといわれています。
特に就寝中は唾液の分泌が減少し細菌が増殖しやすい環境になるため、口腔内に溜まった細菌が気管や肺に入り込み咳が出る原因になることがあります。
高齢者や免疫力が低下している人では誤嚥によって歯周病菌が肺に到達し、「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクが高まりこれが長引く咳の原因になることもあるのです。
慢性的に続く軽い咳が実は歯周病のサインだったという例も報告されており呼吸器系の症状が改善しない場合には、口腔内の状態も確認すべき重要なポイントとなります。
咳止め薬を使用しても効果がないあるいは医療機関で明確な呼吸器疾患が見つからないようなケースでは、歯周病の可能性を疑うことが有効です。