サージェリーファーストは顎変形症などの矯正治療において、従来の「術前矯正→手術→術後矯正」という流れとは異なり外科手術を先行して行いその後に矯正治療を進める新しいアプローチで注目されています。
この方法は審美的・機能的な改善を早期に実現できる利点があるもののすべてのケースで保険適用されるわけではなく、条件を満たす必要があります。
サージェリーファーストが保険適用となるのは厚生労働省が定める「顎変形症」に該当し、かつ顎口腔機能診断施設で診断・治療を行う場合に限られます。
加えて治療計画に基づいた明確な手術適応と、矯正専門医との連携があることも重要な要件となります。
一方審美目的や軽度の咬合異常のみを対象とする場合には保険適用外と判断され、自費診療となることがほとんどです。
サージェリーファーストは治療期間が短縮できる一方で術後の矯正コントロールが難しくなることや、術前のシミュレーション精度が治療成否を大きく左右するなど高度な専門知識と技術が求められる治療法です。
患者側も手術後にすぐ矯正装置を装着しなければならない負担や術後の腫れや痛みなど、身体的なリスクを理解しておく必要があります。